積算価格は「土地価格」と「建物価格」を別々に計算し、それらを合算した価格です。金融機関が担保力を計算とき、積算価格を参考にするため、融資を活用する不動産投資では特に重要になります。

また積算価格を基準にすることで、物件の適正価格を見極めることが可能です。積算価格よりも安い場合は割安である可能性がありますが、その背後に何らかの理由が存在するかもしれません。逆に、積算価格よりも高い場合は割高かもしれませんが、その価格に見合った付加価値やメリットがあるかもしれません。

ここでは積算価格の計算方法や不動産投資で活用できるポイントについて、わかりやすく説明していきます。

土地価格の計算方法

土地価格には「公示地価」「基準地価」「路線価」の3種類があります。それぞれの違いについて簡単に説明していきます。

公示地価は毎年1月1日時点での土地価格で2名以上の不動産鑑定士によって算出されます。土地価格としては最も正確だと言われていますが、都市計画区域内のみが対象のため、公示地価が算出されない地域もあります。

基準地価は毎年7月1日時点での土地価格で1名以上の不動産鑑定士によって算出されます。算出価格としては公示価格とほぼ同じですが、都市計画区域外も対象になるため、より広い地域で算出されています。

路線価には相続税路線価と固定資産税路線価がありますが、単に「路線価」といった場合相続税路線価を指すことが多いです。相続税路線価は公示地価の8割程度の価格となっているため、路線価÷0.8をすれば、おおよその公示地価を逆算することができます

相続税路線価の調べ方

路線価はインターネットで検索でき、全国地価マップの「相続税路線価等」のページから確認することができます。

単位は千円/ ㎡なので「550C」と記載があれば、路線価は55万円/ ㎡になります。なお複数の道路に面している場合は高価な路線価が採用されます。仮に土地面積が100㎡の場合、相続税路線価は5,500万円になります。

0.1万円/㎡と考えても良いね!

なお前述の通り相続税路線価は公示地価の8割程度の価格となっているため、公示地価に換算するには5,500万円÷0.8=6,875万円になります。

なお土地価格は土地の形状により変化します。例えば、旗竿地など形のわる土地は上記の計算式よりも安く評価されてしまいます。一方で角地の場合は高く評価されます。そのため正確性を求める場合、路線価の数字だけでなく、土地の形状も考慮する必要があります。

建物価格の計算方法

まず建物価格の計算方法をイメージで簡単に説明します。新築で1,000万円、耐用年数が10年の建物があるとします。現時点での築年数が5年であれば建物価格は500万円になります。

建物価格=新築価格×(残存年数/耐用年数)

耐用年数については構造によって法定耐用年数が異なります。構造を調べて、以下の法定対応年数を計算式に当てはめると良いです。

構造 法定耐用年数
軽量鉄骨造 19年
木造 22年
重量鉄骨造 34年
RC造・SRC造 47年

また新築価格を計算するときも、構造が分かればザックリと計算することができます。以下の表を目安にすると良いです。

構造 再調達単価
軽量鉄骨造 12〜17万円/㎡
木造 12〜16万円/㎡
重量鉄骨造 17〜18万円/㎡
RC造・SRC造 18〜22万円/㎡