1. 最適な利益額
結論:法人の課税所得は800万円が最適。
理由:800万円までは中小企業向けの税制優遇措置により、税率が25%と低いため。これを超える部分は37%の税率が適用されるため、税負担が増加する。
補足:課税所得が800万円を超えた場合は、新たな法人を設立するなどして利益を分散することが節税の観点から有効。
2. 最適な役員報酬
結論:役員報酬は1,000万円程度が適切。
理由:役員報酬が少なすぎると、役員貸付などが発生し資金繰りに問題が出るため。役員報酬600万円程度では厚生年金や健康保険料の会社負担が重く、手取り額が減少する。
補足:役員報酬を法人所得800万円を超える部分(税率37%)に割り振ることで、全体の税負担を25%程度に抑えられる。役員報酬と法人の利益をバランスよく分けることがポイント。
3. 減価償却の先取り
結論:減価償却は利益が800万円を超える場合に先取りを検討。
理由:課税所得が800万円以下であれば、税率が低いため減価償却を無理に先取りする必要はない。800万円を超えると税率が上がるため、課税所得を800万円以下に抑えることが節税につながる。
補足:将来売却時に減価償却がないと利益が膨らみ、税負担が増加するリスクがあるため、減価償却の先取りは長期的な視点で判断する必要がある。
4.事業税の損金算入
結論:事業税の損金算入タイミングにより最適利益の計算がずれることがある
理由:事業税の損金タイミングは特殊。申告時に損金算入できるため。
補足:賃貸資産を売却して大きな利益が出た翌年は、事業税の支払いが多くなります。その結果、事業税が損金として計上され、自然と課税所得が減少します。そのため、特に何もしなくても翌年の税負担が軽くなります。
たとえ大きな税引き前利益を計上しても、低い税率で済む可能性があるということです。
この租税公課は販売費及び一般管理費にまとめられるため、損益計算書に記載されません。そのため、当期の支払額を記録しておく必要があります。